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IFA太田氏の今週のマーケットの振り返りレポート(2023年9月16日)

Weekly 9月18日


懸案イベント通過で待機勢動いたか


14日の米市場でもっとも印象的だったのはVIX(恐怖)指数の低下。12.82で6月22日の12.91を下回った。6月の13ポイント割れは1日だけに止まったので、持続的に低下傾向が続くか注目されていたが、今回も翌15日、NYダウ288dドル安を受けてVIX は13.85と早くも1日だけの12台レベルだった。VIX指数は一般的に売りポジション増減に連動すると見られている。15日の日本は16割れの15.99、欧州は14.73(前々日の16.50から急低下)。日本には依然、出遅れ感がある。

買い戻しから待機勢の出動を呼び込んでいると見られ、懸案と見られていた米CPI(消費者物価指数)やECB(利上げとなったが打ち止め観が優勢)通過、今年最大IPOの英アーム上場の成功(10%高で寄り付き25%高で終了。小口トレーダーが群がったと伝えられるが、アームチャイナ問題は不問の格好)。

もう一つ、「脱中国」が加速している可能性がある。11日、JPモルガンのダイモンCEOは投資家向け会合で「中国市場は以前ほど魅力的でなくなった。5月の訪中で警戒感を強めた」と述べた。当時は中国市場回帰を目指していると見られたが、密かに”中国売り”を進めていた可能性がある。

13日発表のIIF(国際金融協会)外国投資家証券投資動向で、8月は中国株が149億ドル売り越され、15年の統計開始以来の最高を記録した。中国の債券は51億ドル売り越し。中国除く新興国株式は66億ドル売り越し、債券は111億ドル買い越し。

13日、ロジウムグループは「欧米企業が中国から他の途上国に投資先を切り替える動きが続いている」との分析レポートを発表した。投資先はインド、メキシコ、ベトナム、マレーシアの順。ただし「デリスク(リスク低減)」には何年も掛かるとしている。

14日、豪銀大手NAB(ナショナル・オーストラリア銀行)は香港支店閉鎖を発表した。6月のウェストパック銀行に続く。上海拠点があるので全面撤退ではないが、シンガポール、東京が望ましいとの見解。この発表で株価は0.8%高。

シンガポールの政府系投資会社テマセクは、中国市場は引き続き魅力的としたが、グリーンテクノロジーやエネルギー転換分野を挙げた(ポートフォリオの中国比率は約2割)。

欧州資産運用大手アムンディは中国株の投資判断を「中立」に引き下げた。建設・不動産に加え、サービス部門減速に懸念を示した。投資先は「米国株より日本株を選好する」との見解。ドイツ政府が中国企業による衛星スタートアップ企業の完全買収を阻止するなど、欧州の対中姿勢は厳しくなって

いる。



米、10-12月相場期待後退か、アップル不発、原油高圧迫など


米GS(ゴールドマンサックス)のソロモンCEOは12日、「米国経済は大幅な景気後退を回避する可能性が高いが、インフレは予想以上に持続する可能性が高い」と警告した。先行きの不透明感を指摘したと見られる。元々、GSは商品相場に強気姿勢だが、足元で原油相場が10か月ぶり高値に上昇していることを意識したかも知れない。12日は北海ブレント92.06ドル、WTI88.84ドル/バレル。14日はWTI90ドル乗せ、昨年11月以来9か月振り。1万人以上行方不明と伝えられるリビア東部の大洪水が影響している可能性も考えられる。

9月FOMCでの利上げ見送り確率は93%と変わっていないが、11月は56%で、五分五分の状況。24年7月まで利下げに転換しないとの見方が優勢になっている。米国勢調査局は12日、貧困率が21年7.8%から22年は12.4%に急上昇(19年11.8%を上回る)と発表。14日で期限切れとなる全米自動車労組との交渉の行方も注目される。

アップルの新製品発表も不発だったようだ。予定通りiPhone15を発表したが、中国問題への言及がなく、値上げ見送りが弱気姿勢に映ったようだ。JPモルガンは「今年後半に同社株価は市場をアウトパフォームする可能性は低い」と言及。中国のファーウェイ(華為技術)押しや外国製品排除の動きが続くと見られる。12日は1.7%安。IT関連では市場予想を下回る業績見通しを発表したオラクルが13%急落、ナスダック1.04%安の主要因となった。14日上場予定のアームに備えた動きだったかも知れないが、テック関連に警戒ムードがあると見られる。

ただ、日本株ではユックリと買い戻し基調が支えるものと考えられる。



植田日銀総裁発言の真意を探る市場


9月9日付けの読売新聞の植田日銀総裁インタビュー記事で、週明けの11日のドル円は一時145円台となった。一時、金利も0.705%に上昇し、マイナス金利解除の思惑が広がった。日銀は上限金利を1.0%に置いているので、状況次第では、さらに上昇する可能性があるが、政府の「物価対策の本命は円安修正」との考えとのバランスを取る動きと見られる。  

総裁が8月26日のジャクソンホール会合で基調的インフレは依然として目標の2%を若干下回っていると述べてから、わずか2週間後に年内のマイナス金利解除の可能性を示唆したのは、円安進行とそれに伴う先行きのインフレ見通し上振れの確率を無視できなくなったからだろう。為替のボラティリティーの高まりは、日銀の政策にとって懸念されるポイントのようだ。今週22日の日銀政策決定会合後の植田総裁の会見に注目が集まる。

ただ、対ドルでは円が影響を受けやすいユーロが対ドルで売られており、14日のECB政策決定会合前のポジション調整の動きの可能性もある。しかし実際は理事会終了後も利上げ停止観測でユーロは対ドルで弱含み。国内も8日発表の7月経常収支は2兆7717億円の単月過去最大の黒字。一方的に、円安が進行する局面にはないと思われる。



ロシアとECB(欧州中央銀行)


ウラジオストクで開催中のロシア「東方経済フォーラム」で、国営メディアが「北海道は日本の領土ではない」、「武士道はアイヌから学んだ」、「切腹儀式はアイヌから借りた」などの珍説を展開していると言う。プーチン-金正恩会談での「北の人工衛星支援」も同じようなレベルの話の印象がある。駐日ウクライナ大使は「ロシアの歴史捏造は恥も外聞もない」と発言。

ロイターの報道によると、ロシアのガス販売価格(1000㎥当り)は22年トルコおよび欧州向けが983.8ドル、23年501.6ドル、24年481.7ドルの予想。中国向けは23年297.3ドル、24年271.6ドルの見通しと言う。ロシア開発対外経済銀行の予測では、23年のEU向け(パイプライン経由)ガス輸出は前年比約1/3,21年比1/6。原油輸出は22年2.46億トンから23年2.3億トン(日量460万バレル)に減少見通し。EU向けは1.15億トンから4100万トンに大幅減見通し。

ロシア中央銀行は1-8月の経常黒字が前年同期比86.1%減の256億ドルと発表した。石油・ガス収入の減少が主因。昨年は2270億ドルの経常黒字。財政赤字は1-8月246億ドル。継戦能力に影響があると思われるが、未だその議論は起こってきていない。

ECB(欧州中央銀行)は14日、10会合連続の利上げを実施した。中銀預金金利は過去最高の4%に達した。エコノミストと投資家は4%が今回の引き締めサイクルでのピークとみているが、ラガルド総裁はピークに達したかは「言えない」と述べた。

総裁は記者会見で「現在の判断では、今日の決定でインフレ率を適時に目標に戻すために十分な貢献をしたと考えている」とし、「焦点は恐らく若干、期間へと移るだろう。しかし、これがピークだと言っているのではない。そうは言えないからだ」と語った。

決定発表後、ユーロは下落し一時0.7%安の1.0656ドルと5月以来の安値を付け、債券は値上がりした。域内経済の成長見通しに対する懸念を反映し、トレーダーらは今や追加利上げの確率を20%前後とみている。

ラガルド総裁は、政策委員会の「確かな過半数」が利上げを支持したと述べたが、何人かは利上げ停止を望んだと明かした。会合前に当局者らは今回の判断が2022年7月の利上げ開始以降で最も微妙に均衡していることを認めていた。

今週は19~20日が米FOMC,、21~22日が日銀政策決定会合と重要なイベントを控えている。



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